ソクラテスの弁明
自己の思想を表現してみることは、所詮弁解にすぎない。
ニーチェ、善悪の彼岸の「哲学者は弁護士である」という指摘は決定的なものだと思われる。カントの三批判書は「人間は道徳に殉じるべきである」というカントの性癖から成長した植物である。ショーペンハウアーのペシミズムは、彼の憂鬱症から生まれたものだろう。レヴィナスの顔の哲学は神への忠誠というユダヤ教の匂いがする。クロポトキンの相互扶助論は、人間の相互扶助への信仰がある。フェミニズムは女のルサンチマンだ。
そして、ソクラテスは?ソクラテスはアテナイの裁判所で弁明をした。「人間は無知を知るべき」という性癖が「咎められた」ので、弁明をしたのだ。
僕は正直このニーチェの指摘によって、哲学の全てが暴露されてしまったと思った。確かに「動機」と「内容」は全くの別物だが、どんなに弁護人が立派でも、犯人の犯罪の質が最も重要だ。けれど最近、それでいいのかもしれないと思えてきた。
僕は最近マルクスの資本論を読んでいるのだが、それは「この社会を原理的に理解したい」という動機からだった。そしてゆくゆくは、労働はおかしい、働かなくてもいい、と言う風に論を進めたい。これは「お前が働きたくないだけだろ」と言われてしまう「言い訳」なのだけれど、言い訳があることで救われることもある。「働きたくない」という欲動の弁護士になる。その言い訳のクオリティが高く、大勢に認められるようになると「思想」と呼ばれるものになるのだと思う。
ニーチェ、善悪の彼岸の「哲学者は弁護士である」という指摘は決定的なものだと思われる。カントの三批判書は「人間は道徳に殉じるべきである」というカントの性癖から成長した植物である。ショーペンハウアーのペシミズムは、彼の憂鬱症から生まれたものだろう。レヴィナスの顔の哲学は神への忠誠というユダヤ教の匂いがする。クロポトキンの相互扶助論は、人間の相互扶助への信仰がある。フェミニズムは女のルサンチマンだ。
そして、ソクラテスは?ソクラテスはアテナイの裁判所で弁明をした。「人間は無知を知るべき」という性癖が「咎められた」ので、弁明をしたのだ。
僕は正直このニーチェの指摘によって、哲学の全てが暴露されてしまったと思った。確かに「動機」と「内容」は全くの別物だが、どんなに弁護人が立派でも、犯人の犯罪の質が最も重要だ。けれど最近、それでいいのかもしれないと思えてきた。
僕は最近マルクスの資本論を読んでいるのだが、それは「この社会を原理的に理解したい」という動機からだった。そしてゆくゆくは、労働はおかしい、働かなくてもいい、と言う風に論を進めたい。これは「お前が働きたくないだけだろ」と言われてしまう「言い訳」なのだけれど、言い訳があることで救われることもある。「働きたくない」という欲動の弁護士になる。その言い訳のクオリティが高く、大勢に認められるようになると「思想」と呼ばれるものになるのだと思う。