私を離さないで 感想 | 人生入門

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今年と来年中に読むもの
西田幾多郎 フィヒテ バタイユ アウグスティヌス トマス・アクィナス パウル・ティリッヒ カール・バルト ガザーリー 清沢満之 曽我量深 金子大栄 安田理深

再来年中に読むもの
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私を離さないで 感想

 私を離さないで、という小説を読んだ。名前ぐらいは知っていると思う。あんまネタバレにならないように書くと臓器提供者のためのクローンが作られて、それでまあ最後にちゃんちゃんという話なのだけれど、帯に「人生で唯一泣いた小説です」と誰かの煽りが書かれていて、泣く気まんまんだったのだけれど、泣けなかった。この小説の泣き所は「この子たちが生まれてきた目的に対する不憫さ」だと思うけれど、これは僕たちがおかれている状況と全く変わらない。僕たちは死刑囚なんだ。僕は僕のことを死刑囚だと思っているので臓器提供するために作られたクローンの子供のことを全く可哀そうだと思わなかった。そいつらは30ぐらいまでは生きるのだけれど僕は30まで生きられるか分からない。これで泣ける人は自分を「外部の人」だと思っているのだと思う。臓器提供させられる運命の他ないこの子たちより悲劇的ではない運命を持っていると勘違いしているのだと思う。でも僕たちは全員死刑囚であり癌患者であることは明白なので、全然可哀そうとも思えなかった。文体も好みではなかった。僕は好きではなかった。

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