星
親の財布から140円パクッて三ツ矢サイダーを買いに外に出た。こういうとき、「ふと」という副詞が降ってくることがある。自分の自我で見ようと思っても星は降ってこない。「ふと」という副詞と一緒に夜空は眼前に降りてくる。月を見ると、淡いぼやけた丸が発光しているだけで、形が分からなかった。自分でも気づかなかったが、僕の目には涙が溜まっていた。月の形が知りたくて、眼をこすっても、こすればこするほど涙が出てきて、月はぼやけたままだった。教えてくれる人もいなかった。
涙のレンズを通して見た星空は、荘厳な光のかたまりだった。「我が上なる星空と、我が内なる道徳法則、我はこの二つに畏敬の念を抱いてやまない」というカントの言葉(こんな正確にではないが)と、「超日月光」というお経の言葉を思い出した。地球が宇宙の中心でなくなってどれほどたったのだろう。それでも、月は僕を優しく照らす。
夜空の闇があるから、月の光があるんだろう。僕にどうしようもない煩悩の闇があるから、無碍光如来がいるんだろう。僕は小声で念仏をした。
念仏をしながら歩いて帰った。子供のような懐かしい気持ちになった。ふと、仏の光の中にいるような気がした。
涙のレンズを通して見た星空は、荘厳な光のかたまりだった。「我が上なる星空と、我が内なる道徳法則、我はこの二つに畏敬の念を抱いてやまない」というカントの言葉(こんな正確にではないが)と、「超日月光」というお経の言葉を思い出した。地球が宇宙の中心でなくなってどれほどたったのだろう。それでも、月は僕を優しく照らす。
夜空の闇があるから、月の光があるんだろう。僕にどうしようもない煩悩の闇があるから、無碍光如来がいるんだろう。僕は小声で念仏をした。
念仏をしながら歩いて帰った。子供のような懐かしい気持ちになった。ふと、仏の光の中にいるような気がした。
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