主人公
ネットで、若い人に宗教をやりたくない理由を聞くと、「お金をとられそうだから」とか「神とか仏とかいなさそうだから」と返ってくるけど、根底に「自分の人生を自分が主人公で生きられなくなりそうだから」という感覚があることに気づく。俺の人生は俺の人生であって、神の僕なんぞにはなりたくない、という意志が感じられる。実際に、「浄土真宗の主人公は、凡夫を救う阿弥陀仏であって、自分ではない」という趣旨のことを話したら「じゃあ僕むりだわ」と言われたこともある。
全然読んだことないんだけれど、チャールズ・テイラーという人によると、そういう近代的ナルシズムはカントの判断力批判から始まって、フーコーあたりまで続くらしい。哲学的なことはよくわからんけれど、「自分の人生の主人公は自分」というのがなんの根拠もないイデオロギーだということは分かる。なぜなら相対的だから。「主君のために討ち死にする武士」「亭主のために尽くす妻」「国のために死ぬ兵士」「神のために殉死する聖者」など、この「身体」や「人生」を、「他者」のために使っている時代や、文化がいくつもある。僕はいきすぎた個人主義には反対である。この国家や神といった「他者」から、解放される「自由」への物語が、近代の喜ばしい成果だと言われているけれど、弊害もかなり見られる。
この「自分の人生の主人公は自分」というイデオロギーのせいで、苦しんでいる人を何人も見てきた。「俺はこんな場所にいるべき人間じゃないのに」「自分が世界の中心なのにこんな不細工ありえない」「俺には才能がある、俺は天才だ→失敗→メンヘラ化」
主人公は誰なのか?多分、僕は主人公ではないと思う。昔はそう思ってた時期もあった。けれど、僕には音楽の才能もないし、文章の才能もないし、商才もないし、なにもできないので、無能は無能らしく、人には極力迷惑をかけず、エピクロスが言った「静かに生きよ」を実行している。世界の中心にいる人なんて、だれ一人おらず、みんなモブキャラなのだと思う。メンヘラのバカでかい要因の一つの「自己肯定感の低さ」は、ナルシシズムの裏返しだ。「私は世界の中心のはずなのに、不細工だし、運命の人から捨てられるし、何も上手くいかない」
世界の中心は、自分ではない。誰でもない。
全然読んだことないんだけれど、チャールズ・テイラーという人によると、そういう近代的ナルシズムはカントの判断力批判から始まって、フーコーあたりまで続くらしい。哲学的なことはよくわからんけれど、「自分の人生の主人公は自分」というのがなんの根拠もないイデオロギーだということは分かる。なぜなら相対的だから。「主君のために討ち死にする武士」「亭主のために尽くす妻」「国のために死ぬ兵士」「神のために殉死する聖者」など、この「身体」や「人生」を、「他者」のために使っている時代や、文化がいくつもある。僕はいきすぎた個人主義には反対である。この国家や神といった「他者」から、解放される「自由」への物語が、近代の喜ばしい成果だと言われているけれど、弊害もかなり見られる。
この「自分の人生の主人公は自分」というイデオロギーのせいで、苦しんでいる人を何人も見てきた。「俺はこんな場所にいるべき人間じゃないのに」「自分が世界の中心なのにこんな不細工ありえない」「俺には才能がある、俺は天才だ→失敗→メンヘラ化」
主人公は誰なのか?多分、僕は主人公ではないと思う。昔はそう思ってた時期もあった。けれど、僕には音楽の才能もないし、文章の才能もないし、商才もないし、なにもできないので、無能は無能らしく、人には極力迷惑をかけず、エピクロスが言った「静かに生きよ」を実行している。世界の中心にいる人なんて、だれ一人おらず、みんなモブキャラなのだと思う。メンヘラのバカでかい要因の一つの「自己肯定感の低さ」は、ナルシシズムの裏返しだ。「私は世界の中心のはずなのに、不細工だし、運命の人から捨てられるし、何も上手くいかない」
世界の中心は、自分ではない。誰でもない。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
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