進化論 恋愛 | 人生入門

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再来年中に読むもの
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進化論 恋愛

 彼女がいた。過去形である。2月24日の21時に振られた。振られた理由は「他の女の子にダル絡みするから」。昨日、その元カノがスカイプちゃんねるで話した女の子が偶然僕が昔ダル絡みしていた相手で、その話を聞いて無理になったらしい。ダル絡みというのは、具体的にいうと、低俗な下ネタを言ったり、通話を何回もかけたりしていた。

 古代ギリシャの賢人のソロンが、「その人が死ぬまで、その人の人生が幸せだったかどうかは分からない」と言っていたが、恋愛もそれと同じで、その恋愛が終わってからはじめて、その恋愛が幸せだったかどうか判断できると思う。恋愛してる最中が幸せだったとしても、最悪な破局の仕方というのもあるし、終わってからでないと判断できない。で、終わった今、この恋愛を判断すると、割とよかったと思う。もう相手の声も名前も覚えていない元カノというのがいるけれど、今回の人は、ずっと忘れないと思う。

 10月ぐらいに知り合った。最初の通話は、僕がコミュ障を発揮して、2分ぐらいで「じゃあお風呂行ってくるね」と言って切られた。そのあと、なぜか「今話せますか」とチャットが来て、話したところ、僕の不倶戴天の敵であるリチャードドーキンスの利己的な遺伝子を読んでいて、その話で盛り上がって、仲良くなった。進化論の理解が不適切なところがあったので、訂正してあげた。
 そのあと、毎日話すようになって、僕も普通に好きになり、告白したんだけれど、振られまくっていた。その子の二十歳の誕生日に、一緒にお酒を飲んだんだけれど、その勢いで告白して「ちょっと考えるから待って」と言われ、その返しに「いや誕生日と酒の勢いで告白成功させるつもりだから今答えて」と言って二人でめっちゃ笑ったのを覚えている。そのときも振られた。
 なんやかんやあって付き合うことになり、ほぼ毎日通話していた。その子はいわゆる「スペック」が高く、顔も良くて、知的で、家が金持ちで、学歴もあり、そんな子が僕みたいな人間と付き合うのかが謎で、他の東大生や慶応生なんかと付き合えばいいのにとずっと悶々としていたんだけれど、最近その子が「高校生の頃、まわりのレベルが低く思えてつらかった」「普通になりたいと思っていた」と言っていて、ああ、だから僕を選んだんだなと腑に落ちた。
 最近IQテストを受けて、アスペルガーの疑いがある数値だったので、僕と境遇や精神構造が似ていたのだと思う。それを聞いて、この子は僕がふさわしいんだなと思って(うぬぼれて?)いたので、その直後に振られることになって残念だ。精神構造が似ているという表現が一番的確だ。僕はネットで女と付き合っても基本無言通話ばかりしているんだけれど、その子とは毎日楽しく話せた。自意識の具合が似ていた。

 好きなところを挙げろと何回も言われていたんだけれど、なかなか答えられなくて、「全部」と言って茶を濁していたが、やっぱり「精神構造が似ている」ところが好きだったのだと思う。
 別に嫌な恋愛ではなかったので、今はつらいけど、結構さわやかな気分である。さわやかに泣いている。
 今日は偶然、「進化と人間行動」という進化論の本を読んでいた。進化論で始まって、進化論で終わった。星の王子様のセリフに「きみは、金色の髪をしている。[…]金色に輝く小麦を見ただけで、ぼくはきみを思い出すようになる。」というのがあるが、僕とこの子の関係においての「小麦畑」は進化論の気がする。進化論を見るたびに、この子を思い出すんだろうなと思う。

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