悪人
友達から急にLINEが来た。「自分が一番大切なのってどうしたらやめれるの」と言われた。やっぱり僕の友達だなと思った。僕はそういう誠実な人としか本当の友達になれないと思う。ちょうどその直前に読んでいた、観無量寿経の一節が思い浮かんだ。
この世は地獄よりも地獄的であると言ったのは芥川龍之介だが、僕の友達も、韋提希もそう思っているようだ。地獄というのは自分の中にある。地獄とは、自分が鬼になること。餓鬼とは、自分が欲望の塊になること。畜生とは恥を知らないこと。
「自分の自己中心性に耐えられない」というのは宗教的な自覚だ。ここでいう悪人は歎異抄でいう悪人正機の悪人だ。法律的、道徳的ではない、宗教的な悪。元カノにもそれがあった。自分のことを悪人だと言っていた。僕はまだ、自分のことを「悪人」だと思えない。
この世、ひいては自分は地獄的であると思ったところから宗教は始まる。僕は母親が死んだ時、この世は地獄的だと思った。真実の世界が存在すると思った。だから葬式で泣かなかった。
みんな自分は法律を犯していない善人だと思っている。それが気持ち悪い。みんな嘘つきだったり、自己中心的だったりするのに、その自覚がない人間が多すぎる。善人は真の浄土へは行けない。親鸞はそう言っている。悪人だけが浄土へ行ける。そして人間はみんな悪人なんだけれど、善人だと勘違いしている人が9割だ。
さとうのような、真っ白な真実の世界へ行きたい。
どうか世尊、わたしのために憂いも悩みもない世界をお教えください。わたしはそのような世界に生れたいと思います。この濁りきった悪い世界にはもういたいとは思いません。この世界は地獄や餓鬼や畜生のものが満ちあふれ、善くないものたちが多すぎます。わたしはもう二度とこんな悪人の言葉を聞いたり、その姿を見たりしたくありません。今世尊の前に、このように身を投げ出して礼拝し、哀れみを求めて懺悔いたします。どうか世の光でいらっしゃる世尊、このわたしに清らかな世界をお見せください
この世は地獄よりも地獄的であると言ったのは芥川龍之介だが、僕の友達も、韋提希もそう思っているようだ。地獄というのは自分の中にある。地獄とは、自分が鬼になること。餓鬼とは、自分が欲望の塊になること。畜生とは恥を知らないこと。
「自分の自己中心性に耐えられない」というのは宗教的な自覚だ。ここでいう悪人は歎異抄でいう悪人正機の悪人だ。法律的、道徳的ではない、宗教的な悪。元カノにもそれがあった。自分のことを悪人だと言っていた。僕はまだ、自分のことを「悪人」だと思えない。
この世、ひいては自分は地獄的であると思ったところから宗教は始まる。僕は母親が死んだ時、この世は地獄的だと思った。真実の世界が存在すると思った。だから葬式で泣かなかった。
みんな自分は法律を犯していない善人だと思っている。それが気持ち悪い。みんな嘘つきだったり、自己中心的だったりするのに、その自覚がない人間が多すぎる。善人は真の浄土へは行けない。親鸞はそう言っている。悪人だけが浄土へ行ける。そして人間はみんな悪人なんだけれど、善人だと勘違いしている人が9割だ。
さとうのような、真っ白な真実の世界へ行きたい。
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