大地性
僕は放送大学へ通っているのだが、授業はほぼ見ない。ただ、現代文学の授業は面白いので見ていた。
クレオールの島で、純文学を書いて、ノーベル賞を受賞した人へインタビューしていた。その人に島を出るつもりがないのかどうかを聞くと、「文学は土着性(大地性と言っていたかも)と切り離すことはできないんだ」と言っていた。その一言が非常に印象に残っている。日本からは日本の文学しか出ないし、ラテンアメリカからはラテンアメリカの文学しか出ない。
EXITというお笑いコンビが今売れているのだが、売れる前にゴッドタンに出ていた。そこで劇団ひとりに激賞されたEXITは自分のお笑い論を語って「俺は他人のお笑いとか見ないんすよね、全然お笑いの勉強とかしたことなくて」と言っていた。劇団ひとりがそのあと「俺はお笑いを研究しつくしたEXITも見てみたいけどなあ」と言った。そのあとに彼らはぐんぐん売れていった。
友達が、芸術家に、これおススメですよ、と本を渡したら、そんなもんいらんと一蹴されたらしい。それでいいのか。
鈴木大拙は、日本的霊性という本の中で、平安仏教は宙に浮いている貴族仏教だったが、鎌倉時代という激動期によって、それが大地に根付いたと書いている。大地とは農民、庶民で、天上界にいる貴族ではない、大地にいる者が宗教を根付かせると書いていた。
大地とは地に足がついているということだ。神話を教えない民族は100年以内に滅びる、と誰かが言っていたが、それが大地性という事だと思う。僕はネットでたくさんの人と出会ったり、ネットの空気を吸ってきたが、地に足がついてないんじゃないか、と思う。日本というものが戦争で根こそぎにされたんだろう。だから村上春樹のような、宙に浮いた文学者しか出てこない。現代詩を見ても、宙に浮いている。「大地」が感じられない。
ポストヒューマン思想というのが最近流行っているらしいけれど、もう人間がいないんじゃないだろうか。足のない幽霊が新宿をうろついている。
クレオールの島で、純文学を書いて、ノーベル賞を受賞した人へインタビューしていた。その人に島を出るつもりがないのかどうかを聞くと、「文学は土着性(大地性と言っていたかも)と切り離すことはできないんだ」と言っていた。その一言が非常に印象に残っている。日本からは日本の文学しか出ないし、ラテンアメリカからはラテンアメリカの文学しか出ない。
EXITというお笑いコンビが今売れているのだが、売れる前にゴッドタンに出ていた。そこで劇団ひとりに激賞されたEXITは自分のお笑い論を語って「俺は他人のお笑いとか見ないんすよね、全然お笑いの勉強とかしたことなくて」と言っていた。劇団ひとりがそのあと「俺はお笑いを研究しつくしたEXITも見てみたいけどなあ」と言った。そのあとに彼らはぐんぐん売れていった。
友達が、芸術家に、これおススメですよ、と本を渡したら、そんなもんいらんと一蹴されたらしい。それでいいのか。
鈴木大拙は、日本的霊性という本の中で、平安仏教は宙に浮いている貴族仏教だったが、鎌倉時代という激動期によって、それが大地に根付いたと書いている。大地とは農民、庶民で、天上界にいる貴族ではない、大地にいる者が宗教を根付かせると書いていた。
大地とは地に足がついているということだ。神話を教えない民族は100年以内に滅びる、と誰かが言っていたが、それが大地性という事だと思う。僕はネットでたくさんの人と出会ったり、ネットの空気を吸ってきたが、地に足がついてないんじゃないか、と思う。日本というものが戦争で根こそぎにされたんだろう。だから村上春樹のような、宙に浮いた文学者しか出てこない。現代詩を見ても、宙に浮いている。「大地」が感じられない。
ポストヒューマン思想というのが最近流行っているらしいけれど、もう人間がいないんじゃないだろうか。足のない幽霊が新宿をうろついている。
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